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認知症の方のデイサービス利用
日本では、認知症の方が増加し続けており、2025年には高齢者の5人に1人は認知症を発症すると言われています (※)。介護が必要な認知症の方も多く、デイサービスにおいても認知症の方が多く利用しています。デイサービスは身体介護と機能訓練、健康状態の確認を必要とする要介護者向けの介護施設です。こちらの記事では、認知症の方が利用できるデイサービス、デイサービス利用のメリット・デメリット、デイサービスで実施している認知症ケアなどについて説明しています。
(※)参考:内閣府 平成29年版高齢社会白書
目次
認知症の方が利用できるデイサービス
デイサービスにも種類があり、一般型・認知症対応型があります。どちらも認知症の方が利用でき、タイプごとの違いは利用条件と特徴です。こちらの章では一般型デイサービス・認知症対応型デイサービスの利用条件や特徴、受けられるサービスについて説明します。
一般型デイサービス
一般型デイサービスの利用条件は下記表の3点です。
一般型デイサービスの特徴は、1日の定員25名以上の大規模施設から19名以上の通常規模、18名以下の小規模まであることです。賑やかな場所がお好きな方には大規模、落ち着いた場所がお好きな方には小規模が向いています。ただし、小規模デイサービスではデイサービス所在地と住民票の自治体が同じであることが必要です。また、一般型は認知症専門ではありませんが、認知症ケアに取り組んでいる施設も多くあります。
受けられるサービスは主に4点です。
・入浴や排泄などの身体介護
・バイタル測定や服薬管理などの健康管理
・歩行訓練や体操などの機能訓練
・体を動かすゲームや認知症予防の脳トレなどのレクリエーション
認知症対応型デイサービス
認知症対応型デイサービスは一般型デイサービスと異なり地域密着型サービスに含まれます。認知症対応型デイサービスの利用条件は上記表の4点です。
認知症対応型デイサービスの特徴は以下の3点です。
・1日の利用定員が12名までの小規模施設
・一般型より職員の人数が多く、手厚い介護を受けられる
・専門知識を持った職員がいるため、安心して通うことができる
認知症の方は共同作業や大人数での交流が苦手な方もおり、落ち着いて過ごすことができる環境が向いています。専門知識に関して、デイサービス管理者は都道府県が実施している認知症対応型サービス事業者管理者研修を修了しています。
受けられるサービスは一般型デイサービスと同様、身体介護・健康管理・機能訓練・レクリエーションで大きな違いはありません。
デイサービスを利用するメリット・デメリット
こちらの章では、一般型デイサービスと認知症対応型デイサービスの入居条件・特徴からメリットとデメリットをご説明します。どのタイプのデイサービスを利用するか検討されている方はご参考ください。
一般型のメリット・デメリット
一般型デイサービスのメリットは、以下の3点です。
・施設数が多い
・大規模から小規模まで選択肢があること
・認知症でない方も利用されていること
静岡県のデイサービス数は以下の通りです。※2022年4月現在
一般型:約1,420施設(通所介護 約830施設+地域密着通所介護 約590施設)
認知症対応型:約120施設
圧倒的に一般型デイサービスが多く、どちらのタイプでも良い方は一般型を利用するハードルが高くないと言えます。
また、認知症の方のみでなく、様々な方と交流したい方に向いています。近隣に規模の異なるデイサービスが複数ある場合は、ご本人に合わせて規模の選択肢ができます。
一方、デメリットは以下の2点です。
・認知症の専門知識を保有する職員がいるとは限らない
・職員の人数が認知症対応型より少ない
一般型デイサービスは、認知症の方のみが入居可能なグループホーム(認知症対応型共同生活介護)と併設している施設もあります。グループホーム併設で複数サービスの管理者が同じであれば、認知症対応型サービス事業者管理者研修を修了している職員がいます。
認知症対応型のメリット・デメリット
認知症対応型のメリットは以下の3点です。
・小規模施設で手厚い介護が受けられる
・認知症ケアに長けた職員から介護を受けられる
・認知症の方に向けたレクリエーションを受けられる
一般型デイサービスのレクリエーションは認知症専門ではないため、認知症の方・認知症でない方どちらも楽しめるものを行います。認知症対応型デイサービスも様々なレクリエーションも行いますが、認知症に効果的なものも多く実施しています。
一方、デメリットは以下の2点です。
・一般型と比較すると認知症対応型は施設数が少ない
・認知症の進行具合により利用者間の交流が難しいこともある
自治体によっては認知症対応型デイサービスがないこともあり、一般型を利用する可能性もあります。自治体によっては、近隣市区町村の認知症対応型を利用できる場合もあります。
また、認知症が軽度で他の利用者との交流を楽しみたい場合、他の利用者の認知症の進行具合により交流できる方が少ないこともあります。
デイサービス利用で認知症が悪化することはある?
結論から申し上げると、認知症が悪化する可能性は0ではありません。認知症の方は環境変化への適応が難しく、デイサービスの通い始めなどは悪化する可能性があります。認知症は進行性の病気のため、進行予防のためのレクリエーションや機能訓練を実施しても次第に状態が重くなります。
また、認知症は自発的に物事を行う意欲が低下する病気でもあり、職員がレクリエーションなどに誘っても意欲的に取り組めない方もいます。そのため、利用者に合わせて好きなものやできることをやっていただくこともあります。
デイサービスで実施している認知症ケア
デイサービスで実施している認知症ケアには、パーソン・センタード・ケアとユマニチュードという考え方のもと実施しています。それぞれの考え方をご説明します。
パーソン・センタード・ケア
パーソン・センタード・ケアの理念は、認知症の人と介護者の双方向コミュニケーションにより、心の通ったケアを重要視することです。認知症の方は困った行動をすることも少なくありませんが、なぜその行動をしているのか、理由を探ります。理由を把握し、適切なケアを提供できるという考え方です。
ユマニチュード
ユマニチュードは、その人の人間らしさを尊重し続けることを大切にしています。ユマニチュードの4本柱では、見る・話す・触れる・立つがあります。話す時に見つめあうこと、優しく話しかけること、優しく触ること、ご本人の立ちたい気持ちを抑えないことを基本としています。
認知症の症状に対する対応
認知症の方は様々なことが分からなくなり、不安なことから周囲の方が困る行動を起こします。デイサービスでは、認知症の症状による言動に対応しています。こちらの章では、対応例をご紹介します。
物を盗まれたという時
認知症の代表的な症状に物盗られ妄想があります。金品など大事なものを盗まれたと訴える症状です。デイサービスの机にあった腕時計が盗まれたと思い込んでいても、実際は鞄に入っていたというようなことがあります。自身のやったことを覚えていないため、起こります。職員は最後に腕時計を見た場所を聞いたり、一緒に腕時計を探したりと対応しています。
拒否や自宅へ「帰りたい」という時
介護拒否では認知症の方に限らず入浴拒否が多く、体を見られることが嫌という理由から拒否される方が多いです。職員がお風呂に入りたくなるような声掛けをして、利用者が入る気持ちになったら入浴するなど対応しています。
デイサービスに行くより自宅にいたい方が多く、帰宅願望を訴える方もいます。「ご家族から夕方までいてねとお願いされている」などとを伝え、デイサービスで過ごすことに理解を促し対応しています。
暴力的になっている時
認知症の種類による症状や利用者によっては暴力的になる方もいます。認知症の方は感情のコントロールが困難だったり、物事を忘れてしまっても嫌だったという感情は覚えていたりします。怒り出して暴力的になった場合、職員が静かな場所へ誘導し話を聞くなどして対応しています。
アクタガワのデイサービスの認知症対応
ここまで一般型と認知症対応型のデイサービスの違いやデイサービスでの認知症ケアについて述べました。認知症に特化しているか、していないかという違いはありますが、どちらのタイプも認知症ケアを実施しています。
アクタガワは一般型デイサービスを運営し、認知症の方も多く利用されています。職員は社内研修で認知症の知識や対応を身に着けており、安心してご利用いただけます。また、認知症には昔のことを思い出す回想法で脳を刺激することが有効です。各施設で五感を刺激する昔懐かしいレクリエーションやイベント等を実施し、認知症の進行を遅らせることを目指しています。