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押切デイサービス 人間の生きがいの追究 ~生活リハビリ事例集 K様 R7.5月号~

静岡市清水区の押切デイサービスでは、生活リハビリに取り組んでいます。こちらの記事では、生活リハビリ事例をご紹介します。

お客様情報
85歳 女性
介護度:要介護3
目標:「好きな歌を歌いながら、これからも1日を穏やかに過ごしたい」
アルツハイマー型認知症があり、短期記憶の保持が困難なK様。2024年8月に左大腿骨転子部骨折、9月に右大腿骨転子部骨折。入院前にはご自分で歩行されていましたが、両大腿部を骨折したため車椅子での生活を余儀なくされました。退院当初は「なんだか泣きたくなっちゃう」「何が何だか分からない」とネガティブなお言葉も多く、表情も暗いことが多くありました。
身体機能面はもちろんのこと、認知機能に対する精神面もサポートしながら少しずつ笑顔を取り戻し、K様らしさが戻ってきた生活リハビリ記録の一部始終をご紹介いたします。
個別訓練スタート
始めは座っていても痛みを伴う状態でしたが、痛みが徐々に減り、立ち上がりは安定し、立っていられる時間も伸びました。現在は足踏み運動や歩行訓練が可能になりました。
訓練中に手すりから手を放しポーズをする余裕まで生まれました。
むくみの増悪予防として歩行訓練も活用していきます。
洗濯ばさみを使うことで指先の運動を行います。
下肢のみならず上肢運動も一緒に行います。車椅子の駆動も活用しました。
朝の全体体操にも積極的に参加されるようになりました。
ある日、外を眺めて天気の話をしていると、K様が「曇り空といえば…」と仰り「曇りガラスを~」と大川栄策の「さざんかの宿」を歌い出し「何年ぶりに歌ったんだろう」と喜ばれていました。今でもリハビリをしながら素敵な歌声を披露して下さっています。
手芸クラブ
手芸クラブにも参加されています。「昔は子供の服を作ったりしていたけれど、最近は全くやっていないからできるか分からない」と仰っていましたが、入院前は吊るし雛を一緒に製作しており、参加すると「実はこういうの結構好き」とこっそり教えてくれました。退院後にもお誘いさせていただき、はぐはぐさん(隣にある児童施設)へのプレゼントとして、ティッシュボックスカバーとアクリルたわしを製作し、自分たちで大切に作った物を直接手渡しする事ができました。
その後、はぐはぐさんから素敵なお返しをいただきました。可愛いお子様に癒されながら交流を楽しみました。
クラフトバンド
ケアマネさんにコースターをプレゼントするため、「どの色がいいかな~」と真剣に色選びから行いました。
細かな作業でしたが、職員と協力しながらハサミを使って頑張りました。
完成したコースターはケアマネさんのところにプレゼントしに行ってきました。
後日、ケアマネさんのところへ訪問し、直接ケアマネさんにコースターをプレゼントしました。ケアマネさん、K様が来てくれたことに感動され、たいへん喜んでいらっしゃいました。

食事
入院中、誤嚥性肺炎の疑いにて嚥下機能療法を開始しました。軟食きざみ食にて退院しましたが、現在では常食をほぼ毎日完食されています。
食べ歩きクラブの活動では、施設近くの台湾料理店へラーメンを食べに行きました。
車椅子から座席に座り直して、皆様とラーメンを美味しくいただきました。
結果
立ち上がりが安定した、立っていられる時間が伸びた、歩けるようになったなど、身体的な変化もそうですが、日々の関わりを通して会話や表情にも良い変化がありました。K様の笑顔が増えたことが何よりも嬉しいことです。認知症でも「できること」に注目し、「できること」をこれからも続けられるよう、ハートライフ押切の職員一同でサポートして参ります!



作業療法士のコメント
「歌うことが大好き!」と笑顔でレクやリハビリ、クラブ活動に参加してくださるK様。少しの挑戦が、たくさんの元気につながっていきます。これからも一緒に歩んでいきましょう。
担当者のコメント
車イスでもいろいろなことにチャレンジするK様、たいへん素晴らしいと思います。できないと思って諦めるのではなく、できることはないかというところから入っていって職員と一緒になって、自分の可能性を追究していく姿と行動が一日一日を楽しく過ごすことに繋がり、その積み重ねがK様の生きがいに繋がっていくのではないでしょうか。

この生活リハビリを実施している拠点
アクタガワ 生活リハビリ押切 デイサービスセンター(静岡市清水区)

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