Recreationレクリエーション
長泉デイサ-ビス 音楽クラブ 奏隊 七夕コンサート

奏隊は、音楽やうたが好きなお客様を中心に生活リハビリの一環として始めた音楽クラブです。音楽クラブの内容は音楽療法としてとても有効で、音楽療法は身体機能の維持・改善にも効果があります。今回は奏隊の第二回定期演奏会として七月七日に七夕コンサートを行いましたので、その様子をお伝えいたします。
目次
4か月間の練習を重ねて
今年の3月から練習を始め、七夕コンサートへ向けて約4カ月にわたり練習を重ねてきました。今回のコンサートでは、リズム体操と合唱の2グループに別れ、それぞれ練習に取り組んでまいりました。リズム体操ではボディーパーカッションとチアダンスに挑戦し、合唱では浜辺の歌と故郷(ふるさと)の二部合唱に挑戦しました。
演目①手話うた

最初の演目はお客様全員参加して手話うたの演奏です。【上を向いて歩こう】と【にじ】の二曲を手話を交えながら歌います。にじという曲は長泉では十八番の曲で、コンサートの時には必ず歌う定番になっています。
演目②ボディーパーカッション きらきら星
ボディーパーカッションとは、手足やからだを使ってリズムを楽しむ体操です。たとえば、手拍子をしたり、胸やおなか、足を軽くたたいたりして音を出します。楽器を使わずに、体ひとつでできるリズム体操です。きらきら星のラテン調のポップな曲調に合わせて難しいリズムに挑戦しています。
グループのみなさんと息を合わせて、体を動かします。腕をしっかりと伸ばして、手拍子をしています。奏隊トップバッターということもあり緊張しているお客様もいらっしゃいましたが、堂々とした演技を披露して下さいました。最後の決めポーズもビシッと決まりました!
演目③チアダンス いい湯だな
チアダンスではポンポンを持って手を振ったり、ステップを踏んだりして音楽に合わせてダンスを披露しました。今回はドリフターズのいい湯だなの曲に合わせて行いました。
たくさんの振り付けを覚えるのがとても大変でしたが、練習を重ねるごとに大きくキレのある動きができるようになりました。3分間以上もある曲ですが、最後まできっちりと演技をして下さいました。演技後は会場内は盛大な拍手に包まれ、演者のお客様はみなさんとても良い表情でした。
演目④合唱 浜辺の歌
つづいて合唱のグループでは一曲目に浜辺の歌を披露しました。この曲は出だしの部分に四分休符や八分休符があるため、出だしを揃えて歌うのが難しい曲でした。何度も練習を重ね、全員の声が揃うように頑張りました。また歌詞の言葉の中に、現在では使わない言い回しがあり、歌詞の意味を理解することで、歌をより深く表現することができるようになりました。お揃いの赤い襟は、この日のためにお客様がお手製でご用意されました。
演目⑤二部合唱 故郷
合唱二曲目は故郷(ふるさと)です。この歌はソプラノとアルトによる二部合唱に挑戦しました。初めのうちはソプラノとアルトに別れてパート練習を行いました。全体で歌う時に相手のパートにつられないように歌うのが大変でしたが、練習を重ねて二部合唱の素敵な歌声がでるようになりました。たくさんの観客のお客様の前でも堂々と歌うことができていました!
お客様お手製の赤い襟をお揃いで身に着けて、衣装でも一体感を出すことに成功しました!
歌唱の間、安定した立位姿勢を保てるように練習をしてきました!
演目⑥ハンドベル たなばたさま
サブパフォーマンスでは、職員によるハンドベルの演奏を披露しました。たなばたさまでは、彦星や織姫の仮装で、会場を盛り上げました。たなばたという日にぴったりの透き通るような音色で演奏をすることができました。
演目⑦ハンドベル ミッキーマウスマーチ
続いての演奏ではキーボードでの伴奏とハンドベルの演奏でミッキーマウスマーチを披露しました。ハンドベルの音がカラフルに重なって、夢の世界が広がっていくような演奏を届けることができました。
ピアノの伴奏によって、この曲をさらに魅力的に色づけてくれます。
演目⑧ハンドベル アンダー・ザ・シー(リトルマーメイド)
最後の演奏はアンダー・ザ・シーです。リズムも速くて難しい曲ですが、見事なチームワークで、楽しくにぎやかに演奏ができました。
閉会
今回のコンサートでは、お客様が元気いっぱいのボディーパーカッション・チアダンスや心のこもった合唱を披露され、会場は感動と拍手に包まれました。長い練習の成果がしっかりと伝わる、堂々とした素晴らしいステージとなりました。音楽を通じて、たくさんの笑顔と拍手を生み出し、心あたたまるひとときとなりました。
鑑賞会・表彰式
観客のお客様や職員から奏隊のコンサートの演奏についてたくさんの賞賛の声をいただきました。コンサート後の練習日に、そんな声を奏隊の皆様にお伝えし、また皆様の演技・合唱がとても素晴らしかったことをお伝えしました。この日は自分達の演技・合唱を映像で鑑賞しました。自分の姿を映像で観たり、歌声を聴く機会は少ないため、ご自身の見慣れない姿に『緊張や照れ・期待・不安・ワクワク』が混ざったような独特な面持ちで映像を見入るご様子が見られました。
鑑賞会の最後には、約4が月間練習を頑張って下さった奏隊の皆様を称えるため、おひとりおひとりに表彰状を贈らせて頂きました。
お客様の声
90代男性「いつもは大人しい女性が堂々とダンスをしていて驚いたよ!合唱も二部に分かれてとても上手だった。みんな大きな声がそろって出ていて凄いね!」
80代女性「楽しいコンサートを観させてもらえてとても嬉しかったです。ぜひまたやってください。」
奏隊80代女性「当日は大勢の人が観ていたので本当に緊張した。間違えないか心配だったけど、なんとかやれました。みんなから拍手をもらって嬉しかったです」
奏隊80代女性「自分達の歌声を聴いてみたけどちゃんとそろっていてすごく良かった!緊張したけど練習は楽しかったです。教えてくれてありがとう!」
担当者から
今回は奏隊の第二回目の定期演奏会として約4か月間練習してまいりました。前回よりも演目数も倍以上多く、合唱やリズム体操の内容もレベルアップしたものを準備し練習を重ねていきました。今回初めて合唱に挑戦しましたが、コーラスや歌を経験されていた方も多く、「昔やっていたけど、もう声が出ないよ」とお話しされつつも、いざ練習が始まるととてものびのびとした素敵な声を聴かせてくれとても驚いたことを覚えています。80代~90代の方が多いのですが、合唱もリズム体操も練習を重ねるごとにどんどんお上手になっていく姿には、本当に感心させられました。
認知症のため言葉の表出が徐々に難しくなっている方も、合唱になると自然と歌詞が出てきたり。脳血管障害による言語障害がある方でも、歌なら大きな声で歌えるなど、音楽を通してお客様の「できること」を発見できる機会となりました。会話でのコミュニケーションが難しくても、歌を通して感情を分かちあったり、距離を縮めることができるとても充実した活動ができたと思います。次回は秋の定期演奏会に向けて、新しいことにもチャレンジしていきたいと考えております。